高野山 8月の行事
不断経とは
8月7日より一週間 伽藍金堂
寛治8年(1094年)より滅罪生善(めつざいしょうぜん)のために1週間、金堂の中を理趣経に節を付けて堂内を廻ります。非常に変わった声明ですので、声明に興味のある方は面白いと思います。この法会では、真然大徳が重んじられ、金堂の曼荼羅の裏には、真然大徳と釈迦如来の掛け軸がかけられます。その日最後のお経は、途中で終わりとなり(終わり経)、次の日の始め(始め経)へと引き継がれ1週間法会は続きます。
盂蘭盆会とは
8月11日 午前11時 金剛峯寺大広間
高野山歴代前官御房霊名が書かれましたお軸を掛け、報恩追福を祈ります。盂蘭盆とは梵語で、これを訳すと「逆さ吊りになっているのを救う」という意味になるそうです。中国で成立した盂蘭盆経がその典拠になっており、お釈迦さまの弟子である目連(もくれん)が、その心眼でご自分の母が死後に餓鬼道に落ちて痩せ衰えているのを見透し、何とか助けたいとお釈迦様に助けを乞い、「衆僧に供養してその功徳の力でお母様を助けなさい」とのお言葉でやっと助けることができたという孝行説話に由来します。
日本ではこれに祖霊祭が融合し、先祖の霊を慰める行事となりました。おまつりの仕方は地方にて様々な形態がございますが、高野山でも独特のおまつり方を致します。
金剛峯寺では8月10日に「仏迎え」をし、11日に「盂蘭盆会」を執行します。諸聖霊をお迎えするにあたって、様々な飾り付けをします。
大広間中央に三段の机が置かれ、位牌等が飾られます。また、水盆に入れられた経木塔婆(きょうぎとうば)がありますが、これには歴代座主(つまり歴代金剛峯寺住職)の霊名が書かれています。左の写真を見ますと金剛峯寺の場合は霊名軸がおまつりされていますが、高野山の塔頭寺院では多く先師の「肖像画」が掛けられます。たくさんこの肖像画(軸)がありますお寺は、それを掛けるだけでも大変です。お供え物はたくさんありますが、必ず「そうめん」を差し上げるのが習わしとなっています。またお膳も用意し、その内容は生ける方に差し上げるのと何ら変わりはありません。
仏迎えに出かけ、奥之院にてお迎え用の「消えずの火」を頂戴すると、消さないように注意してお寺に持って帰り、まず「切子燈籠(きりことうろう)」へ火を移します。次いで、油燈籠(あぶらとうろう)に火を移し、お盆が終わるまで灯されます。その後、一座の法会(読経)がなされます。
萬燈供養会とは
毎年8月13日高野山では萬燈供養会(高野山ろうそく祭り)が開催されます。ろうそく祭りとは参拝者によって一の橋から奥之院までの聖域約2キロメートルの参道を約10万本のローソクの光で荘厳し、先祖をはじめ奥之院に眠る総ての御霊(みたま)を供養するお祭りです。
参道に浮かぶ約10万本のローソクの光は幻想的で、漆黒の闇にきらめく灯りの線は高野山の夏の風物となっています。参拝者はその灯りの中に先祖を思い、お盆の送り火といたします。
たくさんの方のご参拝を心からお待ちしております。
【萬燈供養会】
開催日時 8月13日
開催場所 奥之院燈籠堂
開催時間 午後8時から
【ろうそく祭り】
開催日時 8月13日
開催場所 奥之院
開催時間 午後7時から午後8時30分まで
参加料 無料
【ろうそく祭りのご注意】
小雨決行いたします。
午後7時より奥之院一の橋の受付テントにて、ローソクを無料でお配り致します。
渋滞が予想されます。お車でのご来山はお控えになり、公共交通機関をご利用下さい。
宿坊の浴衣・丹前・寝間着でのご参拝は、ご遠慮ください。
本山関連施設での宿泊はできませんので、宿泊される方は 高野山宿坊組合・観光協会 (別ウインドウ)にお問い合わせください。
奥之院中の橋駐車場は夜店が出るため、立体駐車場2階部分しか駐車できませんのでご注意ください。
【お問い合せ先】
〒648-0281
和歌山県伊都郡高野町大字高野山636番地
高野町役場
電話/0736-56-3000(代) Fax/0736-56-4745